テレビで紹介された仙台ご当地信号機。今後なくなるかもしれないUFO型の四角い信号機設置の理由

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激レアな仙台のご当地信号機

2019年11月に放送されたTBS「マツコの知らない信号機の世界」にて、仙台のご当地信号機が紹介されました。

別名「UFO型信号機」と呼ばれる、1台の信号機で四方に機能する珍しい信号機です。

今回は、仙台市内でよく見かける四角い信号機の場所、設置された理由、四角い信号機の行く末についてご紹介します。

あお葉
実はこの四角い信号機は、今後数年で見れなくなる可能性が高いので、幻の信号機になるかも…!

※当記事に記載している料金や詳細については、投稿日現在の情報です。

仙台市内にある「UFO型信号機」とは

仙台市民には当たり前の光景かもしれませんが、実は四角い信号機はとても珍しい形だそうです。私も仙台に来て初めて見ました。

この信号機の正式名称は「懸垂型交通信号灯器」 で、別名「UFO型信号機」と呼ばれています。

特に仙台市内の住宅街に設置されていることが多く、1台の信号機で四方の車両・歩行者を全てコントロールできるという万能な信号機です。

日本経済新聞の記事によると、UFO型信号機は1979~1986年に設置されて、現在は宮城県内の26ヶ所に設置されているそうです。

実は仙台市だけでなく、名古屋市にも導入されたようです。

TBS「マツコの知らない世界」で紹介された仙台の信号機

信号機の世界
画像出典:https://www.tbs.co.jp/matsuko-sekai/

2019年11月19日放送のTBS「マツコの知らない世界」で、「信号機の世界」が放送されて仙台のUFO型信号機も紹介されました。

今回番組内で紹介されたのは、信号機マニアの岩原拳士朗さん(北海道出身)で、ご自身の信号機サイト「Let’s enjoy signal!」内でも宮城県内にある14ヶ所の同信号機を掲載されています。(一部撤去済み)

仙台市青葉区国見の四角い信号機

この放送で紹介されたのは、仙台市青葉区国見2丁目にあるUFO型信号機です。

通常、十字路に信号を設置する場合、それぞれの方向に向けて4ヶ所の電信柱、4台の車両用信号機・歩行者用信号機を設置しなければいけませんが、UFO型信号機であれば電信柱1本、信号機1台で済むのでかなり省スペースです。

仙台市内に四角い信号機が設置された理由と行く末

仙台市青葉区国見

仙台市青葉区国見の四角い信号機

こちらは、TBS「マツコの知らない世界」でも紹介された仙台市青葉区国見2丁目の交差点にあるUFO型信号機です。

住宅街にある片側一車線の狭い道路で、歩道もかなり狭いです。

仙台の珍しい四角の信号機

こちらは昭和54年(1979年)製の信号機で、すでに40年前の信号機ということもあり年季が入っているのがわかります。

仙台市青葉区八幡

仙台市青葉区柏木の四角い信号機

こちらは、青葉区国見の信号機から徒歩10分ほどの距離にある青葉区八幡2丁目のUFO型信号機です。

上写真奥に進むと、もう1台UFO型信号機がありました。(青葉区柏木)

仙台市青葉区柏木の四角い信号機

青葉区八幡のUFO型信号機が変わっているのは、一方の信号機が正面の道路の角度に合わせて突き出しているところです。

道路の形状によって、信号機をカスタマイズして作っているんですね。

仙台市青葉区柏木の四角い信号機

もう1点、こちらの信号機の面白いところが、T字路になっているこちらの道路に対して、車両用の信号は3方向しか使用していないところです。

上写真のように1方向は行き止まりで住宅を向いているので、住宅側の車両用信号機は機能していません。

ただ、こちらの住宅側から横断する歩行者のために、歩行者用信号は四方で機能しています。

仙台市青葉区旭ヶ丘

こちらは、青葉区旭ヶ丘4丁目にあるUFO型信号機です。

やはり住宅街に設置されていることが多く、片側一車線の交差点になっています。

仙台の珍しい四角の信号機

こちらの信号機もかなり劣化が進んでいますね。

他にも宮城県内にあるUFO型信号機の場所

他にも、宮城県内にあるUFO型信号機の場所をご紹介します。

「マツコの知らない世界」でも紹介された信号機マニア・岩原拳士朗さんが管理されている信号機サイト「Let’s enjoy signal!」を参考にさせていただきました。(現時点で撤去済みと記載のあるものは除外しています)

  • 仙台市青葉区子平町2
  • 仙台市青葉区花京院2丁目
  • 仙台市太白区中田3丁目
  • 仙台市若林区木ノ下4丁目
  • 仙台市若林区三百人町
  • 白石市長町
  • 亘理郡亘理町下小路

同サイトによると、他にも大和町、大河原町、石巻市、角田市、大崎市でもUFO型信号機の設置が確認されているそうです。

仙台市内に四角い信号機を設置した理由

日本経済新聞社によると、四角い信号機の導入が始まった理由をこのように述べています。

道路が狭く、複数の柱を設置するのが困難な交差点に付けるための工夫で、県警の担当者は「当時の先輩方にとって自慢の信号機だった」と振り返る。

また、四角い信号機を開発したきっかけとなったのは、名古屋電機工業の社員が海外で見た信号機から着想を得たそうで、宮城県内に設置されているUFO型信号機も全て名古屋電機工業製のものだそうです。

そして、私が実際に現地で信号機を見ていて気づいたのは、UFO型信号機が設置されている片側一車線の道路がかなり狭いということ。

もし、交差点の四方それぞれに電信柱を立てると、反対車線に車が停車している交差点を右折する際、電信柱が邪魔して大きめの車やマイクロバスなどは接触しそうで怖いと思いました。

交差点に電信柱が少なくなることで、車両や柱との接触が減るだけでなく、狭い道路でも景観がすっきりして見える気がします。

また、実際にUFO型信号機で初めて横断するとき、どの向きの信号を見ればいいのか困惑してしまいましたが(同じ角度から2方向の信号が見える場合がある)、信号を1ターン見逃して車の流れを見ているとコツがわかるようになりました。

仙台にある四角い信号機は今後なくなる?

仙台の珍しい四角の信号機

実は、2018年9月4日に配信された日本経済新聞社の記事によると、今後宮城県内のUFO型信号機はどんどん撤去されるそうで、“幻の信号機”になる可能性が高いという…!

県警は5年以内に、県内の全信号機を省エネに配慮した発光ダイオード(LED)に替える方針。交通量が減少した交差点では撤去も検討する。
UFO型は、警察庁で定めた仕様に対応していないため、国の補助金が下りないなど財政負担も大きい。県警は「通常の信号機への更新も含め、対応を検討していきたい」としている。

2023年頃までに宮城県内の全信号機をLED化する予定だそうで、UFO型信号機は補助金の対象ではないのでお役御免になりそうです。

ご覧の通り、UFO型信号機の劣化も著しいですしね…。

感想

せっかく1台で何役もこなす良デザインの信号機なので、全てとは言いませんが、数台は残してくれたらと願いますね。

将来的に希少価値が高い信号機目当てに観光客が訪れる可能性もありますし、ご当地信号機として保存する価値はあると思います。(数台であれば電気代や維持費もそこまでかからないのでは?と勝手に思ってみたり)

今後無くなる可能性が高いUFO型信号機ですが、ご興味がある方は無くなる前にぜひ見に行ってくださいね。

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